倉橋惣三のことば

 

 

「こころもち」

 

子どもは心もちに生きている。

その心もちを汲んでくれる人、その心もちに触れてくれる人だけが、

子どもにとって、有り難い人、うれしい人である。

・・・

その子の今の心もちにのみ、今のその子がある。

 

 

『育ての心』より

「我等の途」

 

教育は人情の発露である。人情だけでは教育は出来ない。研究がいる。設備がいる。方法がいる。

しかしこれらは皆人情の土台の上に築かれるものである。これらのものがいかに完備しても人情の欠けた所に教育はない。

 

我等の教育に常に潤沢なる人情味を湛えしめよ。

もっと大胆にあたりまえの人情を流露せしめよ。

 

そこに始めて自分も生き子供も生きる。

 

『幼稚園雑草』より    

 

 

「一人の尊厳」

 

人間は一人として迎えられ、一人として遇せられるべき、当然の尊厳をもっている。人間の一人は絶対のものである。各個の人間が銘々に有する、神聖なる尊厳である。

一人を一人として迎えないことは、人間の尊厳をおかすことである。一人の一人たることを忘れるのは、人間に対する最根本的の無礼である。

 

『幼稚園雑草』より